障害福祉サービスの支給申請から受給者証交付までの流れ

2023/10/26

障害福祉

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厚生労働省が公表している資料に、『介護給付費等に係る支給決定事務等について(事務処理要領)』というものがあります。

この要領には、障害者総合支援法に基づく制度を自治体が運営するための事務処理上の取扱いが詳しく記載されています。

基本的には自治体の担当者が参照するものですが、それ以外の人にとっても、制度や手続を理解するために参考になると思います。

この記事では、上記の要領をもとに、障害福祉サービスの支給申請から受給者証の交付までの流れについてまとめています。

執筆したのは、障害福祉専門の行政書士です。

支給決定の実施主体

基本的な考え方

障害福祉サービスの支給決定は、原則として、申請者である「障害者」または「障害児の保護者」の居住地の市町村(居住地がないまたは不明の場合は、現在地の市町村)が行います。

ただし、自立支援医療のうち精神通院医療については、障害者または障害児の保護者の居住地(または現在地)の都道府県が、支給決定を行います。

原則として、支給決定を行う市町村がサービスの実施主体となります(居住地原則)。

居住地特例

 居住地特例の考え方 

施設等が所在する市町村の事務作業や費用負担が過大にならないように、居住地原則の例外として、一定の施設等の入所者等については、入所等の前に居住していた市町村が支給決定および給付の実施主体となります(居住地特例)

居住地特例が適用される場合、対象施設だけでなく、当該利用者が利用する通所サービス等についても、入所等の前に居住していた市町村が実施主体となります。

 居住地特例の対象となる施設等の範囲 

障害者総合支援法により、次の施設等が居住地特例の対象となります。

  1. 障害者支援施設
  2. のぞみの園
  3. 児童福祉施設
  4. 療養介護を行う病院
  5. 生活保護法第30条第1項ただし書の施設
  6. 共同生活援助を行う住居(当分の間の経過措置)
  7. 有料老人ホーム、軽費老人ホーム、養護老人ホーム等(地域密着型特定施設を除く)
  8. 指定介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院
  9. 介護療養型医療施設(令和6年3月31日までの経過措置)

7~9までの介護関係施設は、令和5年度から居住地特例の対象に追加されました。
そのため、令和5年4月1日以後に当該施設に入所等して、当該施設の所在場所に居住地を変更した場合には、居住地特例の対象となります。

他にも、運用上、居住地特例が適用される施設等として、①福祉ホーム、②宿泊型自立訓練、③精神障害者退院支援施設があります。

また、精神科病院、刑事施設、少年院などの施設に入院・入所している者または退院・退所した後に居住地特例対象施設に入院・入所する者についても、運用上、精神科病院等に入
院・入所する前に居住地のあった市町村が実施主体となります(精神通院医療を除く)。

支給決定の概要

支給決定の性質

支給決定は、障害者または障害児の保護者から申請された種類の障害福祉サービスの利用について公費で助成することの要否を判断するものであり、特定の事業者からサービス提供を受けることを決定するものではありません。

対象となる障害者等

障害者等の具体的な定義は、基本的に各障害に関する福祉法が定めてますが、身体障害者を除き、支給決定を行う際に、障害者手帳を有することは必須要件とはされていません。

支給決定の対象となる障害者および障害児は、身体・知的・精神のいわゆる三障害に加え、難病等対象者に該当する者をいいます。

障害者等であることの確認方法

市町村は、支給申請があった場合は、以下の方法により、申請者またはその児童が給付の対象となる障害者または障害児であるかどうかを確認します。

①身体障害者
  • 身体障害者手帳

②知的障害者
  • 療育手帳
  • 療育手帳がない場合、必要に応じて市町村が知的障害者更生相談所に確認

③精神障害者
  • 精神障害者保健福祉手帳
  • 精神障害による年金を受給していることを証明する書類(年金証書等)
  • 精神障害による特別障害給付金を受給していることを証明する書類
  • 自立支援医療受給者証(精神通院医療に限る)
  • 医師の診断書(精神障害者であることを確認できる内容のもの) 等

④難病等対象者
  • 医師の診断書
  • 特定医療費(指定難病)受給者証 等

⑤障害児
  • 障害者手帳
  • 特別児童扶養手当等を受給していることを証明する書類
  • 手帳を有しない場合または手当等を受給していない場合は、市町村が障害の有無を確認(必要に応じて児童相談所等に意見を求める)

支給決定までのおおまかな流れ

①支給申請
障害福祉サービスの利用について介護給付費等の支給を受けようとする障害者もしくは障害児の保護者は、市町村に対して支給申請を行います。
  ↓
②サービス等利用計画案の提出依頼
市町村は、障害福祉サービスの申請をする障害者等に対して、サービス等利用計画案の提出を依頼します。
  ↓
③障害支援区分認定調査
障害支援区分の判定のため、市町村の認定調査員が、申請のあった本人および保護者等と面接し、認定調査を行います。
  ↓
④概況調査
市町村は、認定調査と併せて、本人および家族等の状況や、現在のサービス内容、家族による介護の状況等を調査します。
  ↓
⑤医師意見書の聴取
市町村は、申請した障害者等の主治医等に対し、当該障害者等の疾病、身体の障害内容、精神の状況など、医学的知見からの意見を求めます。
  ↓
⑥一次判定(コンピュータ判定)
市町村は、認定調査の結果および医師意見書の内容を踏まえ、一次判定用ソフトを活用して一次判定を行います。
  ↓
⑦二次判定(市町村審査会での審査判定)
市町村は、一次判定結果、概況調査、特記事項、医師意見書をそろえて、市町村審査会に審査判定を依頼します。
市町村審査会は、一次判定の結果を原案とし、特記事項、医師意見書等の内容を総合的に勘案して審査判定を行い、その結果を市町村へ通知します。
  ↓
⑧障害支援区分の認定
市町村は、市町村審査会の審査判定結果に基づき、障害支援区分の認定を行います。
  ↓
⑨サービス利用意向の聴取
市町村は、障害支援区分の認定を行った申請者等の支給決定を行うため、申請者等から、サービスの利用に関する意向を聴取します。
  ↓
⑩サービス等利用計画案の提出
市町村からサービス等利用計画案の提出を求められた障害者等は、指定特定相談支援事業者が作成したサービス等利用計画案を提出します。
なお、障害者等は、指定特定相談支援事業者以外の者が作成するサービス等利用計画案を提出することもできます。
  ↓
⑪支給決定案の作成
市町村は、障害支援区分や、サービス利用意向聴取の結果やサービス等利用計画案等を勘案し、支給決定案を作成します。
  ↓
⑫審査会の意見聴取
市町村は、作成した支給決定案が当該市町村の定める支給決定基準等から離れているときは、市町村審査会に意見を求めることができます。
市町村審査会は、当該支給決定案の妥当性を審査し、市町村に意見を報告します。
  ↓
⑬支給決定
市町村は、各勘案事項、審査会の意見、サービス等利用計画案等の内容を踏まえ、支給決定をします。
  ↓
⑭サービス等利用計画の作成
指定特定相談支援事業者は、支給決定後、指定障害福祉サービス事業者との連絡調整等を行いつつ、当該支給決定に係る障害福祉サービスの種類および内容等を記載したサービス等利用計画を作成します。

支給申請

障害福祉サービスの利用について介護給付費等の支給を受けようとする障害者等は、援護の実施主体となる市町村に対し、必要事項を記載した支給申請書および添付書類を提出し、支給申請を行います。

申請者

原則として、障害者の場合は障害者本人、障害児の場合は保護者が申請者となります。

申請の代行

支給申請の代行は、障害者本人の支給申請に係る意思表示を本人に代わって伝える行為であり、本人の依頼を受ければ誰でも可能です。また、必ずしも書面で依頼されている必要はありません。

障害者本人の意思は手続の過程で確認できるため、市町村は、申請時に一律に委任状の提出を求める必要もありません。

代理人による申請

代理人による支給申請も可能です。代理の場合、障害者本人から代理権を授与されていることが必要ですが、障害者本人の意思は手続の過程で確認できるため、市町村は、申請時に一律に委任状の提出を求める必要はありません。

なお、成年後見人が選任されている場合は、成年後見人が障害者本人に代わって支給申請を行うことになります。

障害支援区分とは

基本的な考え方

障害者総合支援法においては、市町村がサービスの種類や量などを決定するための判断材料の一つとして、必要とされる支援の度合を示す「障害支援区分」を設けるとともに、その判定等を中立・公正・専門的な視点から行うため、各市町村に市町村審査会を設置することとなっています。

市町村は、障害支援区分の認定を要する支給申請があったときは、市町村審査会の審査および判定の結果に基づき、障害支援区分の認定を行います。

障害支援区分の審査判定基準

障害支援区分の審査判定基準は、申請者に必要とされる支援の度合に応じて、「非該当」および「区分1~6」で分類されています。

障害支援区分の審査判定プロセス

障害支援区分は、「一次判定」と「二次判定」を経て判定されます。

①一次判定(コンピュータ判定)
認定調査の結果および医師意見書の一部項目を踏まえ、一次判定用ソフトを活用した一次判定処理を行います。
  ↓
②二次判定(市町村審査会)
一次判定の結果を原案として、特記事項、医師意見書等の内容を総合的に勘案して、審査判定を行います。
  ↓
③「区分1~6」または「非該当」の判定

市町村審査会

市町村審査会の基本事項

①市町村審査会の役割
  • 障害支援区分の認定基準に照らして、審査および判定を行います。
  • 市町村が支給要否決定を行うに当たり、意見を述べます。

②地方自治法上の取扱い
  • 審査会は、自治体の附属機関として位置付けられます
  • 審査会は法律上必置の機関のため、設置根拠となる条例は不要です。しかし、委員定数の条例は必要になります。
  • 委員の身分は、市町村の非常勤特別職となります。

審査会の委員について

  • 委員は、障害保健福祉の学識経験者であり、中立・公正に審査できる者を任命します。
  • 各障害分野の均衡に配慮した構成とします。
  • 市町村職員は、原則として委員になることはできません。
  • 委員の任期は原則2年で、再任されることができます。

審査判定

審査会は、支給申請を行った審査対象者について、認定調査票および医師意見書に記載された内容に基づき、障害支援区分に該当することについて、審査および判定を行います。

障害支援区分の認定

基本的な考え方

市町村は、障害支援区分の認定が必要な障害福祉サービスの支給申請があったときは、障害支援区分の認定を行います。
ただし、共同生活援助については、入浴、排せつまたは食事等の介護を伴う場合に限ります。
また、
同行援護については、「区分3以上支援加算」の支給決定が必要と見込まれる場合に限ります。

障害支援区分認定の有効期間

 認定の有効期間 

障害支援区分の認定の有効期間は、3年を基本としますが、審査会の意見に基づいて3か月以上3年未満の範囲で短縮できます。

 有効期間の開始日および算定方法 

①有効期間の開始日
障害支援区分の認定の有効期間の開始日は、原則として「区分の認定日」とされますが、「支給決定の有効期間の開始日」とすることも可能です。
なお、障害支援区分が認定された場合、たとえ支給決定が却下されたとしても、障害支援区分の認定自体は有効のままです。

②有効期間の算定方法
◆有効期間の開始日が月の初日の場合
当該月から起算して1か月単位で定める期間とします。
◆有効期間の開始日が月の途中の場合
「有効期間の開始日が属する月の末日までの期間」と「1か月単位で定める期間」を合算した期間とします。

転出・転入時における障害支援区分認定

障害支援区分認定を受けた者が他の市町村に転出した場合、基本的に、転出先の市町村で新たに調査を受けることなく、転出元の市町村で認定を受けた障害支援区分および有効期間を引き継ぐことができます

認定通知

障害支援区分は、支給決定の過程で認定されるものではありますが、障害者の支援の必要度を表す指標として重要な意義を有していることから、独立の行政処分とされています。
したがって、市町村は、障害支援区分の認定をしたときは、その結果を当該認定に係る障害者に通知しなければなりません。

障害児に関する取扱い

障害児の支給決定に関する取扱いは次のとおりです。

  • 障害者手帳の交付を受けている必要はありません。
  • 居宅介護、短期入所の支給申請があった場合、障害の種類や程度の把握のために、5領域11項目の調査(食事、排泄、入浴、移動、行動障害および精神症状の項目に関する調査)を行った上で、支給の要否および支給量を決定します。
  • 5領域11項目の調査だけでは支給決定が難しい乳幼児期の医療的ケア児については、5領域11項目の調査に加えて医療的ケアの判定スコアの調査(人工呼吸器・気管切開の管理、酸素療法、吸引、経管栄養等の項目に関する調査)における医師の判断を踏まえて、支給の要否および支給量を決定します。

支給決定

支給決定の際の勘案事項

市町村は、支給申請があったときは、次の事項を勘案して支給の要否を決定します。

  1. 障害支援区分または障害の種類および程度その他の心身の状況
  2. 介護を行う者の状況
  3. 介護給付費等の受給の状況
  4. 申請に係る障害児が現に障害児通所支援または指定入所支援を利用している場合には、その利用状況
  5. 申請に係る障害者が介護保険法の規定による居宅サービス(訪問介護、通所介護、短期入所生活介護に限る)を利用している場合には、その利用状況
  6. 保健医療サービスまたは福祉サービス等(3~5を除く)の利用状況
  7. 当該障害者等の障害福祉サービスの利用に関する意向
  8. 当該障害者等の置かれている環境
  9. 申請に係る障害福祉サービスの提供体制の整備状況
  10. サービス等利用計画案(提出があった場合)

介護保険給付等との調整

介護保険法に基づく介護保険給付等と障害福祉サービスとの適用関係については、介護保険給付等が優先されます。

市町村は、介護保険の被保険者でもある障害者から障害福祉サービスの支給申請があった場合、当該障害福祉サービスに相当する介護保険サービスによって適切な支援を受けることができるかどうか、当該介護保険サービスに係る介護保険給付等を受けることができるかどうか等について把握し、適切に支給決定をする必要があります。

同時に支給決定できるサービスの組合せ

 基本的な考え方 

原則として、併給が禁止されているサービスの組合せはありません。報酬が重複しない利用形態であれば、障害者の自立を効果的に支援する観点から市町村が必要と認める場合は、併給が認められます。

 具体的な運用 

重度訪問介護は、身体介護や家事援助等の援助が断続的に行われることを想定しているため、同一の事業者がこれに加えて身体介護および家事援助等の居宅介護サービス費を算定することはできません。ただし、サービスを提供している事業所が利用者の希望する時間帯にサービスを提供することが困難な場合で、他の事業者が身体介護等を提供する場合はこの限りではありません。

共同生活援助(グループホーム)の入居者は、原則として居宅介護および重度訪問介護を利用することはできません。ただし、共同生活援助の入居者が慢性の疾病等を有する障害者であって、医師の指示により定期的に通院を必要とする者である場合は、居宅介護の通院等介助や通院等乗降介助を利用することができます。

共同生活援助の入居者は、原則としてその入居中に短期入所を利用できません。

日中活動サービスについては、障害者の効果的な支援の観点から市町村が特に必要と認める場合には、複数の日中活動サービスを組合せて支給決定を行うことができます。ただし、同一日に複数の日中活動サービスを利用することはできません。

重度障害者等包括支援は、障害福祉サービスを包括的に提供するものなので、他の障害福祉サービスとの併給はできません。

就労定着支援は、自立生活援助の支援内容を含むため、自立生活援助と併給できません。

就労定着支援の利用者は、一般企業に6月以上就労が継続している障害者であり、新たに生活に関する訓練を行うことは想定されないため、自立訓練(生活訓練)との併給はできません。

自立生活援助は、地域定着支援の支援内容を含むため、地域定着支援と併給できません。

訓練等給付に係る暫定支給決定

 基本的な考え方 

訓練等給付に係る障害福祉サービスのうち、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援A型においては、障害者本人にとってより適切なサービス利用を図る観点から、お試し期間(暫定支給決定期間)を設け、実際にサービスを体験したうえで、当該サービスの利用継続の意思確認、および当該事業の利用が適切かどうかの判断に基づき、支給決定を行います。

 暫定支給決定の方法 

暫定支給決定には、①暫定支給決定期間のみの支給決定を行う方法と、②本支給決定期間を含む期間で支給決定する方法があります。

①暫定支給決定期間のみの支給決定をする方法
  • 暫定支給決定期間は、2か月間以内の範囲で市町村が設定します。
  • 暫定支給決定期間の満了日までに本支給決定の要否を決定するため、市町村は、当該障害者が利用するサービス提供事業者から、アセスメント結果等の提出を受けます。
  • 利用者がサービス利用の継続を希望して支給申請をした場合、市町村は、暫定支給決定期間が満了するまでに、本支給決定の要否を決定します。

②本支給決定期間を含む期間で支給決定する方法
  • 暫定支給決定を行う場合、「暫定支給決定」と「本支給決定」は、建前上は区分されていますが、当初から、暫定支給決定期間と本支給決定期間とを合わせた通常の有効期間の支給決定を行うこともできます。
  • 事業者によるアセスメント等により当該事業の利用が適切でないと判断されると、別に定めておいた暫定支給決定期間内に、支給決定を取り消すことができます。

支給決定の有効期間

障害福祉サービスに係る支給決定の有効期間は、支給決定時の勘案事項が時間の経過によって変化することがあるため、障害支援区分やサービスの支給量を適切なものに見直すために市町村が定めます。
例えば、前もって障害の状況に変化が見込まれる場合には、支給決定の有効期間を短くすることになります。
なお、支給決定期間の満了に際しては、改めて支給決定を受けることにより、継続してサービスを受けることができます。

 サービスごとの有効期間 

支給決定の有効期間は、原則として、障害支援区分の有効期間と同一期間(最長3年間)になります。療養介護、生活介護、施設入所支援、就労継続支援A型・B型、共同生活援助(体験以外)がこの原則に該当します。

この原則には、次の例外があります。

  • 居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援は、利用するサービス量が比較的短期間に変わりうるため、最長1年間とされています。
  • 自立訓練、就労移行支援(養成施設を除く)、就労定着支援、自立生活援助は、1年ごとに訓練継続の要否を評価することが適当なので、最長1年間とされています。
  • 共同生活援助については、基本的には最長3年間ですが、体験的な利用を行う人は最長1年間とされています。
  • 就労継続支援B型で支給決定時に50歳未満の人については、最長1年間とされています。
  • 就労移行支援(養成施設)は、最長5年間とされています。

 期間の考え方 

支給決定の有効期間は、「支給決定日が属する月の末日までの期間」と「月単位で市町村が定める期間」を合算した期間となります。
ただし、支給決定日が月の初日である場合は、月単位で市町村が定める期間となります。

支給決定(却下決定)の通知

市町村は、支給申請について支給または却下を決定した場合は、申請者に通知します。

支給決定の変更

支給決定を受けた障害者等は、当該支給決定に係る障害福祉サービスについて変更する必要があるときは、市町村に対し、変更申請をすることができます。

市町村は、必要があると認めるときは、変更申請または職権により、支給決定の変更を行うことができます。

変更申請できる事項は、サービスの「支給量」です。

障害支援区分の変更は、支給量の変更申請もしくは職権に基づき支給決定の変更を行う場合、または新たな種類のサービスの支給申請があった場合に、必要に応じて行われます。

サービスの種類は、支給決定が障害福祉サービスの種類ごとに行われることから、変更申請の対象になりませんサービスの種類を変更したい場合は、変更後のサービスについて新たに支給決定を受けるとともに、利用中のサービスの支給決定を取り消すことになります。

支給決定の更新

支給決定の有効期間が終了した場合において、障害者等が引き続き当該障害福祉サービスの利用を希望するときは、市町村は、当該障害者等からの支給申請に基づき、サービス継続の必要性が認められれば、改めて支給決定をすることができます。

 障害支援区分との関係 

障害支援区分の認定が必要とされる支給決定の更新に当たっては、障害支援区分の有効期間の範囲内で支給決定するか、改めて障害支援区分の認定をする必要があります。

 支給決定の更新に係る標準利用期間の取扱い 

標準利用期間が設定されているサービスに係る支給決定の更新では、標準利用期間を考慮した上で、利用継続の必要性について十分な評価検討を行う必要があります。
例えば、自立訓練については、サービスの長期化を回避するため、標準利用期間を設定するとともに、当初支給決定期間は1年間までとされています。

この1年間の利用期間では十分な成果が出ず、かつ、引き続きサービスを提供することで改善効果が見込まれる場合には、標準利用期間の範囲内で、1年ごとに支給決定期間の更新が可能となります。

なお、標準利用期間を超えてサービスの利用が必要な場合には、市町村審査会の個別審査を経て、原則1回、最大1年間の更新が可能です(自立生活援助は回数の制限なし)。
ただし、就労定着支援については、3年間の標準利用期間を超えて更新することはできません。 

各サービスの標準利用期間は次のとおりです。

サービスの種類標準利用期間
自立訓練
(機能訓練)
1年6か月間(頸髄損傷による四肢の麻痺その他これに類する状態にある場合は3年間)
自立訓練
(生活訓練)
2年間(長期入院またはこれに類する事由のある障害者は3年間)
就労移行支援2年間(あん摩マッサージ指圧師、
はり師またはきゅう師の資格取得を目的とする養成施設を利用する場合は3年間または5年間)
就労定着支援3年間
自立生活援助1年間

受給者証の交付

市町村は、障害福祉サービス等の支給決定を行ったときは、当該支給決定を受けた障害者等に対し、支給量その他の必要事項を記載した障害福祉サービス受給者証を交付します。

支給決定を受けた障害者等は、当該受給者証を指定障害福祉サービス事業者等に提示することにより、当該事業者等との間で法定代理受領(現物給付)によるサービスを利用することができます。

参考文献等

厚生労働省『介護給付費等に係る支給決定事務等 について(事務処理要領)』令和5年4月改正版

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